忘れないよ!部長

ずっとお世話になっていた部長が退職されました。
ある取引でお金が回収できなくなったことの責任を取っての依願退職
上層部は一匹狼で言いたいことを言う部長が目の上のたんこぶだったみたいで、実質は解雇のようなものでした。

武士の世界で「向かい傷は罰せず」って言葉があるんだって。
「相手に立ち向かっていって受けた傷はしょうがない」ってことらしい。
新規の事業を立ち上げるのに百戦百勝はあり得ない。
会社のために新しい仕事を取ってくるぞ!という気概が唯一ある方でした。
保守的で自分の手を汚さずにそこそこソツなくやっていこう、という人が大多数の中、労を惜しまず働くことを知っている人。

私は会社の末端だからこそ、みんなのことがよく見える。
交際費などお金の使い方、仕事への姿勢、人生観・・・。

部長の考えは自分の手柄は部下の手柄、部下の失敗は自分の失敗。
あらゆる場面でそれを目撃してきました。
逃げずに当たり前のようにそれができる人。

今回の退職にあたってもかつての部下や同僚から声が沢山上がって、送別会に何度出席されたのか、という感じです。
お客様からも挨拶状を出した途端、電話が相次いで訪ねてくる人も多数、在籍年数だけではなく、心から惜しまれる仕事をされてきたのだなと感じました。

最後の日、食堂のおじさんも、守衛のおじさんまでも部長の退職を惜しんでいたのには驚きました。
「お知り合いなんですか?」と聞くと「時々声をかけていただけだ」って言う。
そういえばお掃除のおばあちゃんとも仲良しだった。
誰でも気にかけてもらうってことはうれしいよね。
私も行き詰っていた時に声をかけてもらい、部長に引き取っていただいて新しい仕事を経験させてもらったのです。

確かに短所や欠点もあったけどさ・・・・こういう人は不思議と許せる。

会社は役に立つ人を真っ先に辞めさせる。
君たちの目はふ・し・あ・な・だよ。

伝わる人にはきちんと伝わっているからね!
振り向かずにこれからの第二の人生を堂々と歩いて下さいっ。