パニック度 「中の強」

今日は近くの位牌岳へ。
下から2時間半くらいで頂上へ行けそうなところ。
誰もいないし、1人黙々と登る。
時々動物の気配を感じたり、鳥たちが木をつついていたり。
今日はちゃんと熊よけの鈴やホイッスルも完備だよ。
強風が時々びゅう、と山の中を駆け抜ける。
汗びっしょりで、息も絶え絶え、ひたすら登り続ける。


しかし、頂上が近づくにつれ、道がよくわからなくなるではないか!
よく見ると、木に色のついたビニールヒモが結んであって、それが目印らしい。それを辿って進んでいく。ヘンゼルとグレーテルだな・・・・。
まごまごしながらようやく、頂上へ!長かったあ。
位牌岳は位牌、という名前だけある。途中から見た景色は壮観で、山が切り立っているところに風がびゅうびゅう吹きつけて大迫力!
しかも頂上付近は吹雪だよ!
着いたら一人で「ばんざーい」とか「やったー」と叫びました。
あとはもう下るだけ。
下るのだけは早いもんね!忍者みたいに下るのさ。
・・・と思ったら、途中であのビニールヒモの目印を見失ってしまいました。
「えっ」と思ってうろうろしたら、もうどこだかわかんない。
上に戻ったらいいのか、下に下ったらいいのか、それもわからん。
完全に迷子だ。
ここでパニック度「中の強」を感じ途方に暮れました。
(ちなみにお財布を失くす、は物品なら何とかなるので「中の弱」、乗っている飛行機が墜落しかける、は「大の強」など)
こうなったら恥を忍んで携帯でヘルプか、思ったら圏外です。
山の救助隊なんて頼むとコストが高い、って聞いたけど、どうなんだろうなあ・・・と思いました。せめて指示くらいもらえると心強いかなと思ったのですが、お金かかるならいいです、ってわけにはいかないのか??(笑)

ここで思い出したのは、小学生の時に聞いた、「山で遭難したらとにかく沢を下れ」という話。山なんて登ることもなかったんだけど、なぜか脳裏にその言葉が刻まれていた。それは今日この時のためだったんだろうか?と思うと、「ぷっ」と可笑しくなる。そう、沢や川は必ずどこかへ繋がっているから里へ下れるはず!
そう思ったら、沢の岩場を必死で(笑)下る。
こないだのロック・クライミングの再来です・・・・。
懲りているのに「なんでこうなるの??(欽ちゃん)」と思いながら、岩場をすべり降りていく。ずぼん破けましたよん。

しばらく下って行くと、ありました。人の作った看板が!
本当にうれしかった。これでコースに戻れたんだわー!
生きて帰れるう!

山に行くと、いかに自分の日常が雑音の中にあるかがわかる。
静寂と、向き合うものが自分しかない怖さと。
全部からだを使い切った感覚も。
だから、行ってしまうんだなー、とほほ。