金時山へ

先日、新聞で服部さんという方を知りました。
服部さんは「サバイバル登山家」で、登山の現代的装備は一切持たず、経験と勘だけを頼りに昔からいた猟師やマタギのように、山を長期間歩くのだそうです。
食料も最低限のものしか持たず、その場で生き物を捕獲して調理したり、テントもなく落ち葉にくるまって寝たり。
暖かく小ぎれいで食べ物にも恵まれた満ち足りた生活にどこかうさんくささややましさを感じてきた彼は、効率と快適さを求める中で私たちが失った、生きるための根源的な体験や感情があると言う。


そう、私たちはスイッチひとつの生活で、自分では火のひとつも興せない。
電気も水もお金で買っている。
裸で山に放り出されたら、生き物を捕まえてさばくこともできず、きっと寒さと飢えであっというまに死んでしまうのだろう。
何の智恵もなく、ヤワな精神と肉体しか持ち合わせていないのが私たち現代人。
パックに入ったお肉やお魚を料理し、それが命であったこと、それを奪うことでお腹がみたされている事実にも気づけない。


今日は早朝から山へ。
金時山を歩きました。
ほとんど誰もいない・・・・・。
山道は景観が開けることはたまにあるけどほとんど薄暗いヒノキ林の中。

時々ね、鳥も鳴かないし、木々もざわめかないんだ。
しーんとしてる。
そうなると、ホントの静寂って実に恐いんだよ。
山の暗闇も真底真っ暗で実に恐いんだけどね。発狂しそうなくらい(笑)
山にいると鈍ってる私の感覚にテコ入れる感じがする。


頂上まで一時間ちょっと、とガイドにあったので、気楽にかかってスイスイ登ったつもりだったけど、後半がかなりキツかった。


急な岩場も続いて「あと20分」って看板見た時はがーん!と倒れそうな気分でした・・・。
先を見るとつらくなるのは人生と同じで、「今の一歩」を大切に歩くしかないのです・・・・。
頂上では雪がちらつきました。

今度はさらに孤独に下り続ける。
山伏や仙人に憧れるなあ・・・。
でも、あまりにも自分は軟弱者だ。
服部さんの弟子にもなれない。
汗びっしょりになりながら「帰りは温泉ー!」なんて考えてるからね。
バチが当たって、行ってみたけど時間が早すぎてどこの山荘もやってない・・・体は冷え切ってきて鼻水が落ちる、御殿場下ってもどこそこ空振り、結局意地で三島の温泉に入りましたとさ。

今日の見所はこの巨石でした!