完璧な彼

「伊豆スカイライン」という有料道路をしょっちゅう通るようになりましたが、そこはETCもなく、料金所でお金やチケットのやり取りがその都度発生します。
そこで私は「完璧な彼」の存在に気がつきました。

たった5秒前後のやり取りなのですが、チケットが渡される角度(相手が受け取りやすい角度と向き)、受け渡しのスピード(慌てた感じは全くないが落ち着いてスピーディ)、言葉(心からの言葉)、最後の笑顔(自然で心和らぐ優しい笑顔)、品位・・・それが「すばらしいっ!!」と拍手したくなるようなおじさまがいらっしゃるのです。

料金所には名前の札が出ているので、彼の名前は「中村さん」であることが判明。
中村さんに当たるたびに「いやーっいいっすねー!」と心の中で激誉めする私であった。

あの5秒に、彼のこれまでの生き様や人生観が凝縮しているのです!!
エゴの片鱗もないあの仕事ぶりはスゴイ。
エゴっていうのは個人的な事情で、よく店員さんでもいるけど、今日は実は疲れてんだよ、かったるい、とか、こんな仕事はホントはやなんだよ、給料のためにやってるんだ、なんて感情が見える、声が聞こえそうな、そんな仕事ぶり。
お客さんは敏感にわかりますよね!

彼が集中しているのは「お客様」がいかにスムーズに気持ちよく料金所を通れるか、ということだけなんです。
他の方たちがどうの、ってことではなくて・・・彼にスペシャルなものを感じます。
私が同じ仕事をやったら、こんなふうにできるかな・・・と思うと自信がありません。
「仕事」って「人間性」そのものがあらわれます。
どれだけ気持ちを込めて手を抜かずにできるかってことなのかな。
「完璧な彼」にしびれるこの頃でした!